被害者の過失割合

By | 2015年7月27日

過失割合しだいで賠償金が減額される!?

 

交通事故が起きたあと、被害者としては「損害賠償はいくら請求できるのか」「けがはいつ治るのか」「保険会社とのやり取りはうまくできるのか」といった不安を感じますよね。

 

特にけがの程度が重い場合、どのくらいしっかりと損害賠償金であがなってもらえるのかは今後の生活にも関わってくる大切な問題です。

 

しかし、どのくらいのけがをしたのか、保険会社が提示してきた示談金が適切なのかを考えていると、思わぬ要素に足をすくわれてしまう場合もあるので注意しておきましょう。

 

今回のテーマは過失割合です。過失割合とは、「事故が起きた原因は、お互いどのくらい落ち度があるのか」を示す割合で、大抵9:1や25:75などの数字で表されます。

 

過失割合が問題となってしまうのは、あなたの過失割合が高ければ高いほど損害賠償金が減額されてしまうからです。

簡単な計算式で説明すると、損害賠償請求は以下のように行われます。

 

・請求できる損害賠償金×相手側の過失割合=実際にもらえる損害賠償金

 

例えば、あなたが車道を走行中に後ろからものすごい勢いで追突されたとします。

大きなけがを負ってしまい、車は全損、仕事もできないのでかなりの被害を受けている。保険会社とも話し合って、自分でも調べて最終的に1000万円の損害賠償金を請求することになりました。

 

ですが、保険会社がこういってきます。

「この事故だとあなたの側にも過失が3割あるので、7割の700万円が請求できる限界ですよ」

「本来ならあなたの過失は4割あるんですが、事故を起こした側のほうも大分気にしているようで、あなたの過失割合を特別に3割に抑えているんです」

結果、いいくるめられて700万円の賠償金で手を打ってしまいました。

 

本当にその賠償金で良かったのでしょうか? あなたの過失は2割、いや1割だったかもしれないのに、です。

 

計算した損害賠償金が適切でも、過失割合でこちらがより悪いことにされてしまうと、受け取ることのできる賠償金額は大幅に下がってしまいます。

 

もし、9:1であなたが悪いなんてことになると、どんなに高額な損害賠償金が必要な事故であっても、計算した額の1割しかもらえない、なんてことになるのです。

 

損害賠償金の増額を考えるとき、過失割合をどう交渉していくかが一つの鍵になります。

 

過失割合は誰が決めるのか

 

では、交通事故における過失割合は一体誰が決めているのでしょうか?

多くの場合、保険会社が決めています。より正確にいうならば、過去同様の状況で起きた交通事故で、どのくらいの過失割合が計算されたか、という判例をもとに、保険会社が算定します。

 

被害者と加害者お互いの保険会社がやり取りをしている場合、保険会社の社員同士話し会って決まるわけです。

 

そして当然、保険会社は支払った分会社のお金が減ってしまうので、あまりお金を使いたくないと思っています。だからこそ損害賠償金の交渉ではごくごく少額の示談金を提示してきますし、過失割合に関してもあなたに対して一方的に突きつけてくることが多いのです。

 

保険会社が決める過失割合にあなたの意見が正確に反映されているとは限りません。

はたして、あなたはその結果に満足できるでしょうか?

 

保険会社と交渉して正当な過失割合を求めよう

 

交通事故が起きたとき、どちらがどのくらいの悪いのか、どちらにより原因があったのか。過失割合とはそういうことです。保険会社が常に公正公平で、きちんと判例にもとづいた割合を示してくれる場合が良いのですが、そうではない場合は腰を据えて交渉する必要があります。

 

過失割合を変えるポイントは、事故後に行われる警察の実況見分調書、過去の判例、当時の交通状況を調べることです。

 

事故が起きたときの厳然たる事実、どのくらいの速度が出ていたのか、道路の直進右折左折歩道、どこで事故が起きたのかなどは警察の実況見分調書を見せてもらうと良くわかります。

 

警察は民事不介入なので、仮に保険会社がめちゃくちゃな理由で(例えば停止しているあなたの車に猛スピードで追突された! という場合でも、車内にいたんだから周囲に気を配るべきだった。あなたも悪い、など)過失割合を上乗せされても口を出してくることはありません。

 

また、過失割合は事故の事実をもとにして判例を参考に求めますが、過去の判例もぴったり同じ状況で起きているわけではないのです。微妙に状況が違う以上、何らかの要素によって過失割合が動くことは十分に考えられます。

 

例えば、事故当時、相手側がヘッドフォンで音楽を聞いていたらどうでしょうか。携帯電話で話していたら? 事故の通報を怠ってひどい悪態をついていたら?

自分の過失が小さく、相手の過失が大きいことを客観的に証明できる事故の目撃証言などがあれば、より有利に交渉を進められるのです。

 

保険会社も最初はなんとなく交通状況を把握して、こういうときはこの割合だから、と深く考えずに提示してきてこともあります。

過失割合に納得がいかない場合、まずは「どうしてこの割合なのか」「その根拠は」と確認していきましょう。それが交渉の始まりです。

 

弁護士に頼むことで交渉を有利に進める

 

保険会社側の最終手段は、「うちは裁判になっても構いませんよ」です。しかし、交通事故の損害賠償においては、裁判は決して悪い手ではありません。

 

賠償金の基準も保険会社がいってくるものより高額になることが多いですし、正当な要求であり証拠があれば保険会社側がなにをいおうと適切な損害賠償金を勝ち取ることも可能だからです。

 

それに、裁判になると面倒なのは保険会社も同じです。弁護士を立て費用と時間を使って行う裁判は、お互い大変なので示談で手を打っておきたいと考えているのです。

 

ただ、実際すげなくあしらわれたり、こちらが一方的に悪いようなことをいわれたり、裁判をちらつかされたりすると、尻込みしてしまうこともありますよね。

 

そんなときは、弁護士を頼ることを考えましょう。

弁護士は法律のプロフェッショナルで、保険会社との交渉にも慣れています。

どのくらいが落としどころなのか、あなたの過失割合が適切なのかも判断可能です。

 

「自分が入っている保険会社の担当がいるから問題ない」という意見もありますが、あなたが加入している保険会社の担当者も、絶対的な味方というわけではありません。このくらいで手を打っておきませんか、いわれてしまうこともあります。

 

しっかりと主張するためには、弁護士を雇うのが一番です。

 

過失割合で増える損害賠償金

 

過失割合の交渉がうまくいくと、最終的にあなたが受け取れる損害賠償金の金額はかなり大きくなります。

 

例えば最初のほうで使った例でいうと、1000万円の請求に対して、あなたの過失が1割なのか9割なのかで100万円から900万円まで金額は変動するのです。過失割合の交渉を忘れないようにしましょう。