自転車の歩道通行

By | 2015年7月27日

自転車は原則車道の左側通行!

 

自転車は、老若男女を問わずに利用できる、もっとも身近な車両のひとつです。

道路交通法上でも「自転車は軽車両である」とされているので、自動車やバイクなどと同様に道路交通法を守って走行しなければなりません。

 

ここで問題です。自転車は実際どこを走れば良いのかご存知ですか?

とっさに答えが出せなかった人は、要注意かもしれません。自転車は誰もが簡単に乗りこなすことのできるものであり、車両でありながら運転免許の取得が必要ない乗り物でもあります。

 

近年、大きな自転車事故の悲惨さから、これまではなあなあで済まされていた自転車の法整備をしっかりとおこない、違反者には厳しい処罰を与える方向に社会は動き出しています。

 

自転車を走行するうえで知っておきたい知識は、できるだけ取り入れておきましょう。

 

先ほどの問題の答えですが、自転車は「車道の左側通行」が原則となっています。

自動車は車道を走りますし、バイクだって車道を走ります。日本の車道は左側通行が基本になっているので、軽車両である自転車も同じように車道を走らなければならないということですね。

 

車両の通行区分について定めている道路交通法の第17条、また第18条において左側通行が定められているので、より詳しい条文が知りたい人は探してみると良いでしょう。

 

自転車は基本的に車道の左側を走らなければならないのですが、日本全国の道路には車道や歩道、自転車専用道などがありますよね。

とくに、歩道に関してはどうすれば良いのでしょうか?

 

自転車は歩道を走ってはいけない

 

道路交通法の第17条と第18条で決められている通り、自転車は軽車両として車道の左端に寄って走らなければなりません。

 

ですから、基本的に歩道を走ってはならないのです。

「そんなこといっても、皆歩道を走っているじゃないか」と思う方もいるでしょう。確かに、自転車は慣習的に歩道を走っていることが多いのですが、法律の区分でいうと本来はいけないことなのです。

 

日本の道路整備は、そもそも自動車に主眼を置いて進められてきました。なので、道路の道幅が狭く、自転車が安全に走行するスペースが元々考慮されていないという現実があります。

 

そのような状況だったため、長らく自転車は「歩道を走るのが当たり前の乗り物」として認識されてきています。

自動車やバイクを運転する人も自転車を軽車両と考える意識が低いので、自転車が車道を走っているときに幅寄せをしてきたり、ミラーが当たるぎりぎりをすり抜けようとする悪質な運転をする人がいるのも、残念ながら事実です。

 

認識の低さや危険性もあいまってなかなか自転車の車道走行は浸透していないわけですが、自転車事故の増加に伴って歩道走行の危険性がより大きくなってきているため、きちんと法律を守りましょう、という動きになっているわけです。

 

路側帯はどうすれば良いのか

 

車道と歩道が明確に区分されている道路だけでなく、一見するとどこが歩道なのか良くわからないという場所もありますよね。

 

車道の端にある白の実線で区切られたスペースのことを、「路側帯」といいます。主に歩行者が通行するためのスペースなのですが、道路標識で自転車の通行が禁止されていない場合、自転車も路側帯を通行しても良いことになっています。

 

ただ、路側帯に関しては、平成25年に法令が改正され、「道路の左側にある路側帯のみ」通行可能となっています。道路の右側にある路側帯を自転車で移動すると、自動車やバイクと正面衝突する危険性が高いからです。

 

路側帯の走行に関しては、路側帯の車道寄りを通る必要があります。あくまでも歩行者のためのスペースなので、歩行者の邪魔をするような位置取りで走行してはなりません。

 

また、路側帯のなかでも二重の白線によって区切られているものは、歩行者専用の路側帯なので、自転車は白線をまたいで走ってはいけないことになっています。

白の白線と破線の路側帯は自動車の駐車禁止を示すものなので、走行は可能です。

 

歩道を走っても良い「例外」もある

 

歩道を走るのが法律上のルールとはいっても、実際に自転車で歩道を走っていると身の危険を感じる場合もありますよね。

 

そういったケースに対応できるように、現行法でも一部例外として自転車の歩道走行が認められているのです。

 

自転車が歩道を走っても良いのは、

 

・交通量が多く、道幅が狭いなど車道を走っていると危険な場合

・小さな子供や高齢者で、車道に出るリスクが高い場合

・「自転車走行可」の道路標識がある場合

 

です。

 

・交通量が多く、道幅が狭いなど車道を走っていると危険な場合

 

例えば、交通量が多いのに片側一車線しかなく、車道を走るとひかれてしまいそうなときは、緊急避難的に歩道を通行しても構いません。

 

・小さな子供や高齢者で、車道に出るリスクが高い場合

 

小さな子供や高齢者は、体が出来上がっていなかったり注意力が落ちていたりします。ふらつき運転になってしまう可能性もあり、車道走行中に接触事故が起きるリスクが高いので、例外です。

 

・「自転車走行可」の道路標識がある場合

 

これは文句なしに自転車で歩道を通行できるパターンです。道路標識を忘れている人や知らない人は、この機会に勉強してみると良いでしょう。

 

軽車両が侵入しても良いという標識から、進入禁止など、覚えておかなければならない標識はいくつもあります。

 

歩道はゆっくり走ろう

 

例外的に歩道を走っても良い、とされる場合でも、歩道でむちゃくちゃなスピードを出して走るのが危険なことは誰にだってわかりますよね。

 

一般的なシティサイクルは、金属とゴムの塊そのものです。重量も20キロ程度ありますし、スピードを出すとかなりの運動エネルギーを発生させられます。

 

歩道を走行中に歩行者とぶつかったりした場合、相手は簡単に大けがをしてしまいます。運転しているあなたも自転車から落ちて頭を打つなど、無事ではすまない可能性が高いです。

やむを得ない理由で歩道を走行するときも、自動車でいう徐行程度のスピードに留めるようにしましょう。

 

加害者にならないために

 

自転車は、とても複雑な立ち位置にある車両です。

車道で自動車とぶつかったら100%負けてしまう交通弱者であり、歩行者とぶつかった場合はほぼ100%加害者になってしまう交通強者でもあるからです。

 

とくに、歩道を走行中に歩行者と事故を起こした場合、高額な損害賠償請求を起こされがちです。自転車の法律違反は自動車とは違ってすぐに罰金刑になってしまうので、自動車で事故を起こすよりむしろリスクが大きい乗り物ともいえるのです。

 

歩道は基本的に通行しないこと。やむを得ない事情があるときでもゆっくり走り、できれば自転車から下りて押して歩くことを心がけましょう。

むやみに歩道通行をしない、一時停止をしっかり守るなど、きちんと交通ルールを守っていれば、大部分の事故は防げます。