後遺障害認定等級

By | 2015年7月27日

後遺障害認定等級で賠償額が大きく変わる

 

交通事故によって負ったけがが原因で、一生付き合っていかなければならないなんらかの後遺症が残ること。これが、後遺障害です。

 

そもそも事故に遭わなければ視力の低下や四肢の欠損、体の麻痺、激しい運動の禁止といった後遺障害を持つことにはならなかったわけですよね。

 

大きなリスク、不利益を得たことによる損害賠償金額を決める基準として、大きな役割を果たしているのが、「後遺障害認定等級」です。

 

後遺症の程度を公平に評価できるように、後遺障害認定等級は第1級から第14級、そして後遺障害認定ではないという15級で構成されています。

等級表のどの部分にあなたの症状があてはまるかによって、請求額は天と地ほど変わってしまうのです。

 

では、後遺障害認定等級にはどんな障害があるのか? どうやって決まっているのか? 一度決まった後遺症認定等級はもう変更ができないのか? 気になりますよね。

 

今回は、賠償額を増やすために知っておきたい、後遺障害認定等級のことを説明します。

 

後遺障害認定等級は誰が決めるのか

 

後遺障害認定は誰が決めるのでしょうか。一言で答えると、「損害保険料率算出機構」というなにやら耳慣れない名前の機関が等級を決定しています。

 

これではわけがわからないので補足してみましょう。

あなたがけがの治療を病院などで受けていると、その内「これ以上良くはならない」という状態になります。これが症状固定です。

 

症状固定の段階になると、主治医に頼んで後遺障害診断書、というものを書いてもらいます。この書類には、医師が医学的な見地からあなたにどんな障害が残っているのかが記載されています。

 

続いて、手に入った診断書を使って自賠責保険か任意の保険会社に請求を行います。

自分で手続きする場合は被害者請求、保険会社に任せる場合は事前認定と呼んだりします。

 

診断書を受け取った保険会社は、色々と手続きをして、調査結果を件の「損害保険料率算出機構」に提出。

 

すると、どんな障害が残っているのかなどを調べた損害保険料率算出機構から、保険会社に「この人の後遺障害認定等級は○級です」と結果がわかるわけです。

 

後は、この等級に従って賠償金を計算し、保険会社や自賠責があなたに「支払えるのはこちらの金額です」と持ってきます。

 

ここまでが後遺障害認定等級が出るまでの正式な流れです。ただし、共済保険に加入している場合、共済は損害保険料率算出機構を利用せずに独自で判断を行います。

 

後遺障害認定等級は絶対的なものではない

 

後遺障害認定等級は、一度決まったら動かない。そんなことはありません。後遺障害認定等級は、あなたの後遺症の状態に合わせて作られた診断書と、各種の調査や資料などを総合的に考えて損害保険料率算出機構が決めるものだからです。

 

そして、案外弁護士に頼んだことによって後遺障害認定等級が上がり、その分損害賠償の金額が大きくなった、ということは良くある話なのです。

 

どうして後遺障害認定等級が絶対でないのかというと、条件が余りにも細かいからです。

後遺障害認定等級では、体を10の部位にわけ、しかもそれぞれの部位においてどのくらいの障害が残ったのかで判定を行います。

 

例えば、目に関する後遺症だけでも、視力がどのくらい下がったら何級、失明したら何級、失明や著しい視力の低下が片眼だけだった場合、と様々です。これに加えて腕の麻痺だの痙攣だの、考えるのも嫌になるくらいの要素を検討しなければなりません。

 

「右足がうまく動かない」という一つの後遺症に関しても、神経の問題で動かないのか。部位の欠損なのか。他のところが原因なのかで等級が変わってしまう。

 

この複雑さが、後遺障害認定等級の変動につながっているのです。

 

等級が下がってしまう原因

 

等級表にはのっていないものの、本人は感じている障害もあります。

後遺障害認定等級は医師の診断書を利用して判断するのですが、後遺障害診断書には、多くの場合「医師がわかっていること」しか書かれません。

 

あなたが実際に感じている自覚症状が診断書に書かれていない場合、その後遺症はないものとみなされます。結果的に、本来ならもっと高い等級であったものの、自覚症状が入っていないため等級が下がっている、ということも考えられるのです。

 

また、被害者請求ではなく事前認定を利用した場合、保険会社側が作った資料と診断書で認定が行われます。保険会社があなたの後遺症を軽く見積もっていた場合、あなたの意見を聞かずに等級が決まってしまうわけです。

 

確かに面倒な手続きを代行してもらえるのですから楽ですし、どうやって等級を変更して良いのかわからないのでそのままにしている、ということもあるでしょう。

しかし、後遺障害が重いものであればあるほど、いかに適切な金銭的補償をしてもらうかが重要なのです。

 

損害賠償が終わったあとも、あなたは一生後遺障害と付き合っていかなければなりません。

介護が必要な場合、家族だって覚悟や準備が必要です。今後の生活、人生のためにも適切、妥当な請求を行うのは交通事故被害者の当然の権利なのです。

 

弁護士に頼むとこんなメリットが

 

後遺障害認定等級に関して、弁護士に頼んでおくと様々なメリットを受けられます。

具体的には、医師とかけあって相談をすることにより、これまで黙っていたり流されていた自覚症状を後遺障害診断書に記載してもらう。

 

事前認定で出た等級に不備がある場合、再度請求を行い、損害保険料率算出機構から改めて後遺障害認定等級を出してもらう。その他の必要書類や等級を押し上げる理由に足る資料を作成することができる、などです。

 

事故のあとあなたが関わる人たちは、皆が皆あなたの味方をしてくれるわけではありません。

 

「好きだなんて恥ずかしくていえるか! そんなのいわなくてもわかってるだろ!」と公言する多くの男性が女性からフられてしまうように、主張すべきところ、主張しなければならないところは自ら動くべきです。

 

あなたのことはあなたが一番良くわかっています。

ただ、主張が苦手な人もいますよね。そんなとき、弁護士というフィルターを通すことであなたの正しい状態を多くの人に伝え、正しい評価を得られるのです。

 

また、弁護士に頼んでおくともう一つ大きなメリットがあります。

それは、損害賠償の基準が変わることです。詳しい説明は省きますが、交通事故の損害賠償請求を弁護士にお願いすると、「等級が○級のときの請求額」が一気に跳ね上がるのです。

 

最終的な賠償額は、後遺障害認定等級と等級あたりいくら支払われるのかという基準額で決まります。

このときの基準は、自賠責保険や任意保険会社の基準より、弁護士が採用する基準のほう金額が大きいので、結果的にかなりの増額につながることもしばしばです。

 

後遺障害認定が出なかった人が後遺障害と認められるなど、大きな効果が実感できるでしょう。