後遺障害と治療について

By | 2015年7月27日

治療を受けるなら大きな病院で

 

交通事故に遭った。けがをした。と来れば、当然その次にはけがの治療が必要となってきます。気合で治すという方もいるかもしれませんが、ちょっとした打撲くらいならまだしも、大きなけがや頭を打ったなど精密検査が必要な場合、病院を頼らざるを得ません。

 

ここで一つおすすめしたいのが、治療を受けるのであれば、身近な診療所も良いのですが、できることなら地域でも大きな病院に行ってほしい、ということです。

労災病院や大学病院など、そういったものが近くにない場合は、とにかく総合病院に行って治療を受けるようにしましょう。

 

ただ、日常的に大きな病院に行く人はあまり多くありませんよね。大抵の場合自宅の近くにかかりつけのお医者さんがいて、体調が悪いときはまずそちらに顔を出す、なんて方のほうが多いでしょう。

 

確かに小さめのクリニックや診療所でも治療が受けられるのならば良いのですが、できれば最初は大きな病院が良いという理由があります。

それは、精密検査ができること、また治療や診断に関しての説得力が高いことです。控えめにいっても、検査用の機械は数千万円以上する高額なものばかりですから、大きな病院でないときちんとした診断が受けられない可能性が高いです。

 

それに、総合病院や大学病院などの場合、各科の専門医がいるわけですし、そもそもの医師の人数も段違いですからより高度な治療も受けやすいという利点があります。

診察をしてみた結果別の科で治療を受けたほうが良い、なんてことになっても、大きな病院なら診察室を移るだけで話が済むのです。

 

骨折したと思っていたら内科にかかる必要あったという場合、小さな外科に行ってもそこで治療が完結せず、また別の内科を探さなければならないので面倒でもあります。

 

治療費そのものは保険を使えば通常の病気治療などと同じように軽い負担で受けられるので、費用面での心配は必要ありません。

自宅から大きな病院まで距離があって通っていられないという場合は、診察と治療は大きな病院で受け、状態が安定してからの軽いリハビリや経過観察は身近にある病院に転院する、という方法を取ると良いでしょう。

 

治療中は全面的に医師の指示に従うべき

 

あなたが負ったけががどのくらいのものなのかによって、完治までの時間の長さや入院の有無などが変わってきます。

ただ、入院であれ通院であれ、治療中は基本的に医師のことを信頼し、医師のいうことに従いましょう。

 

薬を出されながら飲酒を楽しんだり、きちんと決められた時間に薬を服用しなかったり、シップの張替えを行わなかったり、という行動は結局あなたのけがをより重くするだけで、得することはありません。

 

けがを治すためには規則正しい生活も必要です。通院の場合はとくに仕事などもあってなかなか難しいことだとは思いますが、できる限り医師のいうことに逆らわないのが治療期間の短縮にもつながります。

 

医師とのコミュニケーションを大切にしよう

 

治療期間中、あなたの診察や経過観察を担当してくれる医師と、できればコミュニケーションをしっかり取るようにしてください。

 

余りにも忙しすぎて、自覚症状などの確認を口頭でしたら数分もかからずに診察室から追い出されてしまうという場合を除けば、ちょっとした世間話やけがの状態を聞く時間くらいはあるはずですよね。

 

医師と関わることなんてけがや病気の治療中しかないわけですし、喋らなくたって十分な治療は受けられることには変わりはありません。しかし、後々のことを考えると医師としっかりコミュニケーションを取っている方のほうが、より後遺障害等級なども申請しやすいのです。

 

それに、医師だってあなたと同じく人間です。感じの良い人と感じの悪い人なら、感じの良い人のほうにより親身になってくれるのは間違いありません。

交通事故後のけがの治療においても、そのあとの損害賠償請求においても、医師はあくまで中立の立場でいてくれる相手です。弁護士が話を聞きに行くこともありますので、あいさつや世間話などを交わしておくのがおすすめなのです。

 

医師のことが信頼できない場合は?

 

なんとなく、相性が悪い。質問をしても要領を得ない。このまま治療を受けていて、本当に治るのか、またはちゃんと回復するのか心配だ。

 

けがの治療をするために病院に通っていて、医師のことが今ひとつ信頼できないなんて場合もありますよね。そんなときは、無理をしてまでその医師とコミュニケーションを取りつづけなくても良いです。

 

どんな人間同士でも相性というものはありますし、セカンドオピニオンが一般的になってもいますから、まずは別の病院で診察を受けてみると良いでしょう。ただ、できれば病院を変わる場合は担当医に一筆紹介状を書いてもらうことをおすすめします。

 

損害賠償請求として病院での治療費を請求するわけですが、どうして病院を変わらなければならなかったのかを説明できず合理的な請求と判断されない可能性もありますし、転院までの期間が開きすぎたりすると交渉が難しくなってしまうからです。

 

一番良くないのは、なにもいわず治療を勝手に打ち切ってしまうことです。転院するならするで、次の病院のあてを見つけておかないと、きちんと症状固定まで持っていくことができません。体をきちんと治すというのは大前提ですから、ここだけは守るようにしましょう。

 

後遺障害診断書を書いてもらうところまでが仕事

 

けがの治療を受けて、「これ以上は良くならない」ようになったことを症状固定といいます。

 

損害賠償請求の場では、症状固定までにかかった病院での治療費や病院までの交通費などを治療関係の費目として請求をし、症状固定後に残っている後遺症や各種の不具合を後遺障害関係の費目として請求します。

仮に後遺症が一切ないとしても、症状固定になるまでは実質的に事故の相手に損害賠償請求をすることができないのです。

 

通院期間を水増ししてより高額の損害賠償請求をしようとする人もいますが、必要のない治療に関しては裁判をしても認められない場合が多いので、やはりきちんと病院に行って、きちんと治療を受けて症状固定まで回復するのが良いでしょう。

 

大きな病院で診察を受けたり、医師とコミュニケーションをしたことが活きてくるのはここからです。

あなたの後遺障害関係の費目に関しては、後遺障害の等級が第何級なのかによって大枠の請求額が決まるようになっています。

 

そして、後遺障害の等級を請求するために、医師が書く後遺障害診断書を提出する必要があるのです。

 

充実した設備の大きな病院で治療を受けてもなお後遺症が残り、なおかつ医師の所見や自覚症状などを盛り込むことで、はじめて適切な等級が与えられることになります。

医師とのコミュニケーションができていないと、自覚症状の部分はあいまいだからと書かれずに診断書が作られてしまうこともありえます。