休業関係の費目

By | 2015年7月27日

休業関係の費目とは

 

「いやー、昨日車にはねられちゃってさ!」

 

交通事故で病院に運び込まれた翌日、いつものように元気に出社することができますか?

 

ごく軽いけが、実際にはけがもしていないという状況なら笑い話にもなろうというものですが、骨折をした、むち打ちになった、車が半壊、など冗談にならない状況である場合、仕事をするのは不可能です。

 

仕事ができない人にも給料を出してくれる会社があれば良いのですが、現実はそれほどやさしくはありません。

 

有給を使いきってしまえば自己都合の休暇扱いにしてもらうしかなく、当然その間の収入は途絶えます。事故の後に予定していた大事な商談も、渾身のプレゼンを披露する予定だった社内会議も、全て参加できなくなってしまいます。

 

そうなると当然、生活に損害を受けているということになるわけです。事故が原因でけがをして、そのけがのせいで仕事ができないわけですから、働けなくなった、100%のパフォーマンスを発揮できなかった被害を補償してもらわなければなりません。

 

こういった名目で交通事故後請求できるのが、損害賠償請求の一つである休業関係の費目です。費目といっても実際には休業補償しかないので、今回は休業補償の内容を説明していきます。

 

サラリーマンの休業補償

 

無期限ないし有期の雇用契約を雇用者と結び、労働力を提供する代わりに給与報酬を受け取っている人のことをぞくにサラリーマンと呼びます。

 

ごちゃごちゃと小難しい言葉が並んでいますが、重要なのは「給与収入を得ている」という部分です。

 

雇用契約や労働契約を結んで、給与収入を得ている人のことを給与所得者と呼びます。大企業のやり手サラリーマンも、近所のコンビニのアルバイトも、スーパーで働いているパートのおばちゃんも給与所得者に該当します。

 

この給与所得者が交通事故によって損害を受けた場合、出社したり仕事をすることができなくなってしまうので、働けない期間、損をした期間分の日数と、収入から休業補償の金額を計算するのです。

 

一ヶ月前の月収では収入の平均を取っているとはいえないので、少なくとも3ヶ月分の月給か、もしくは前年度の年収などから1日あたりの収入額を計算し、損失があった日数をかけて細かい金額を計算します。

 

ただし、自賠責基準と裁判基準で収入の上限が違うことに注意しなくてはなりません。

 

・自賠責基準における給与所得者の収入額

事故前3ヶ月の月収÷90日=1日の収入額

※1日あたりの収入が5700円に満たない場合、5700円まで引き上げて適用。

しかし、上限額は1日あたり1万9000円まで

 

・裁判基準における給与所得者の収入額

収入から日額を計算

 

自賠責基準で休業補償を考えた場合、給与所得者であれば例え日給が5700円に満たなくても最低5700円請求することができます。しかし、明らかに収入が多い人でも、最大1万9000円までしか認められません。

 

一方、裁判基準では実際の収入に応じた金額計算になりますから、ようするにたくさん稼いでいる人ほどきちんとした請求ができるわけです。なお、収入の日額を出す際には、基本給や手当てだけでなくボーナスなども考慮されます。

 

休業補償のために会社から証明をしてもらう

 

休業補償を請求するためには、適切な収入額の損失であること、実際に仕事にならないので困っていることを証明しなければなりません。そのために必要なのが、会社からの一筆です。

 

休業損害によって出社できないことを認める旨や、今回の休業によってボーナスの金額や将来の昇進に影響が出ることを証言してもらえれば、休業補償だけでなく逸失利益の請求の際にも役立ちます。

 

また、収入の金額に関しては過去の源泉徴収票などを添付して証明します。

 

自営業者の休業補償

 

いわゆるフリーランスや個人商店の経営主などのことを、自営業者、個人事業主と呼びます。自営業、個人事業主といった人たちは給与ではなく自分で商売をしてお金を稼いでいるので、給与所得者ではなく、事業所得者と呼ばれます。

 

事業所得者の特徴は、自分で仕事を取って収入を得て、自分で納税をしていることにあります。近くにあるラーメン屋などを思い浮かべてもらうとわかりやすいと思いますが、こういった商売をしている場合、1日あたりの収入は一定ではありませんよね。

 

時期によって繁盛期と閑散期があり、給与所得者のように毎月同じ金額の収入が手に入るわけではありません。

 

そこで、自営業者の休業補償に関しては1日辺りの収入を、「前年度の確定申告の所得」欄から計算します。

 

なお、自賠責基準と裁判基準の適用のされ方は給与所得者と同じです。本当の所得額が少なくても最低5700円は補償されます。

 

学生・専業主婦・無職の場合

 

給与所得者や事業所得者の休業補償の計算は、実は簡単です。結局のところ年収や月収から1日あたりの平均的な収入額を割り出して、仕事ができなかった期間にかけるだけだからです。

 

では、それ以外の方はどうすれば良いのでしょうか。ここでは、学生、専業主婦、無職の場合休業補償ではどう考えられるのか補足していきます。

 

・アルバイト等収入のある学生の場合

 

アルバイトをしていて、収入があるという学生の場合、実際に収入を得ていたものがなくなってしまうわけですから休業補償を請求できます。給与所得者などと同じように、アルバイトの収入から1日辺りの収入を出して計算し、5700円を下回る場合はそこまで引き上げて計算をします。

 

アルバイトを何日休んだのかで休業補償の最終額が決まるので、計算そのものはわかりやすいですね。

 

・アルバイト等をしておらず収入のない学生の場合

 

学生といっても、勉強や課題で忙しくてアルバイトをしていない、アルバイトが可能な年齢になっていない、はたまた仕送りがあるので働かなくても問題ない、という学生の方も大勢います。

 

この場合、学生は休業補償を請求することができません。学生の本分である学業は収入を得るためのものではなく、実際にアルバイト等で収入を得ていない限り、金銭的な実害がないからです。

 

ただし、卒業間近ですでに内定が決まっていた会社に、けがのせいで入社できなかった、など特別な事情がある場合は別途考慮されます。

 

専業主婦の場合

 

専業主婦も働いていませんよね。では、働いていない学生と同様に休業補償は請求できないのでしょうか。

いいえ、主婦や主夫といった方々は実際には家のことをしているわけで、その間家事に実害が出ると考えます。

 

年齢と性別から給料の全国平均を調べられる「賃金センサス」というものがあって、この数字から1日辺りの収入を割り出し、休業補償を請求できるのです。

 

無職の場合

 

無職や失職している人、または賃貸マンションなどの不動産収入、年金収入があって働く必要がない人たちに関しては、そもそも働いていいないので休んでも仕事の損害はないので休業補償は請求できません。