むち打ち

By | 2015年7月27日

交通事故後に起きやすいむち打ちとは

 

交通事故に遭った人のなかで、比較的多い症状としてあげられるのが「むち打ち」です。

もちろん大きな事故かそうでないかによっても程度は変わってくるわけですが、むち打ちはそれほど大きくない事故であっても発生してしまうことが多いのです。

 

交通事故後のけがとしては最も一般的なむち打ちですが、しかしその一方で最も厄介なけがでもあります。今回は、むち打ちのメカニズムを説明したうえで、どうやっかいなのかを説明していきます。

 

むち打ちのメカニズム

 

人体のパーツを考えたとき、単体で最も重たいのはどの部分になるでしょうか?

答えは、頭部、つまり頭です。

 

頭には最も重要な器官である脳があり、脳を守るための頑丈な頭蓋骨があり、目や耳、鼻などの感覚器官が密集しているとても大切なパーツですよね。

頭部がどのくらい重たいのかというと、大体重の10分の1、12分の1などといわれています。

イメージしづらい方は、ボーリングの球を思い出してみると良いでしょう。実は、ボーリングの球並に重量があるパーツを、頼りない首だけで支えているのです。

 

車に乗っているとき、シートベルトがあるので胴体部分はしっかりとシートに固定されていますよね。しかし、交通事故に遭ったとき、人体で最も重たい部位である頭は衝撃によって振り回されてしまいます。

 

衝突をすれば、お腹を押されたときのように体は前のめりになります。頭は大きく前に振られますね。追突されると、今度はのけぞるように背中から押されてしまうので、体は前にいくのに頭は後ろ側に倒れることになります。

 

このとき、頭を支えている首には一瞬でものすごく大きな負荷がかかります。

頑丈な頭蓋骨のある頭部そのものは無事でも、首の筋肉や関節、神経は頭蓋骨ほど頑丈ではありません。ここの筋などを簡単に痛めてしまうわけです。

 

医学的には、むち打ちは外傷性頸部症候群や頸椎捻挫などの症状名で呼ばれることが多いです。

 

それでは、何故むち打ちがやっかいなのか、その理由を説明していきます。

 

むち打ちがやっかいな理由4つ

 

・医学的に原因や状態を診断するのが難しい

 

風邪という病気がないことをご存知ですか? 風邪というのは俗称で、実際には喉の痛み、せき、鼻水、発熱などの症状が総合的に起こることをまとめて風邪と呼んでいるに過ぎません。

 

むち打ちに関しても似たようなもので、一口にむち打ちといっても、その症状や効果的な治療法、種類には様々な違いがあるのです。

 

なんといっても厄介なのが、医学的に客観的な症状を説明することが難しい、ということにあります。

 

むち打ちは、首の筋肉や筋が引っ張られて痛んでしまったり、神経に損傷が出たり、関節がずれてしまうことが原因で起こります。

しかし、筋肉が伸びたといっても筋肉や筋膜はレントゲンには写りません。骨折のように「ここが折れてるね」と簡単にはわからない分、症状の程度や原因、治療の進行度を測る手段が限られてしまっているのです。

 

なので、多くの場合むち打ちは自己申告でしから発見することができません。

むち打ちの状態や程度の重さは、あなたにしかわからないのです。

 

・自己申告でも痛みや症状は変わらない

 

更に、むち打ちには単純な痛み以外にも吐き気やめまい、耳鳴り、体調不良などの様々な症状がつきまといます。ひどい場合は、むち打ちのせいで仕事が手につかなくなる、なんてこともあります。

 

首は脳と体をつなぐ大切な場所ですから、そこに支障があるというのは結構大きな損害になってしまうのです。足首を捻挫したときと同じように、完治するまでには何か月も時間がかかりますし、途中でちょっと無理をしたりするとまた痛めてしまうなんてこともあります。

 

かといって入院するほどのけがにはならないことが多いので、対症療法的に地道に治療していくしかありません。

 

・客観的に証明することが難しい分、治療費の請求が大変

 

医学的にしっかり原因や経過を判断することが難しいということは、「本当にむち打ちで苦しんでいるのか証明するのが難しい」ということです。

 

損害賠償請求を行ううえで重要なのは、実際に受けた被害を客観的に証明することです。車が壊れたらその修理費の見積もりが必要ですし、入院や通院があった場合はその期間に応じて治療費を請求します。

 

しかし、むち打ちの場合損害賠償請求をする相手に客観的な証拠を提示するのが難しい。

その結果、実際のけがの度合いよりも低く治療費を見積もられてしまったり、本人は痛みをこらえながら一生懸命治療をしているにも関わらず「治療費を増やすためだろう」と思われてしまったり、良いことがありません。

 

・後遺障害等級を得られる場合もある

 

実は、むち打ちの程度によっては後遺障害認定を受けられる場合もあります。

むち打ちは比較的短期間で完治する可能性が高いので、通常の後遺障害とはまたちょっと違う基準での計算になりますが、後遺障害認定の等級を与えられれば当然慰謝料などを追加で請求できます。

 

ただ、むち打ちは見た目もレントゲンでもわからない症状なので、後遺障害と認められるのは大変です。

 

どのような治療を行うのか

 

むち打ちの治療に、これさえやっておけば問題ない、というものはありません。

痛み止めを処方する場合もありますし、首の痛みから筋肉が凝り固まっている場合はマッサージや鍼灸などでほぐすこともあります。

 

湿布などを出してもらい、後はひたすら首を急にひねったりせず、安静にしておくしかないのです。

 

また、余りにも痛みがひどい場合、例えば神経が傷ついている場合などは、ブロック注射をすることもあります。ただ、ブロック注射はとても痛いですし、結局は痛み止めなので根本的な症状の改善にはなりません。

 

神経が傷ついたりするとそんなに痛いのか? と不思議に思った方は、ひどい虫歯になったときのことを考えてみてください。神経が露出しているところをガリガリされると、ものすごく痛いですよね。

本来神経というのは非常に敏感で、ちょっとでも強い刺激があったり、痛めたりすると激しい痛みに襲われてしまうのです。

 

完治するまで気が抜けないのもむち打ちの怖いところです。

 

むち打ちに対する損害賠償請求もできる

 

なお、むち打ちも交通事故さえなければ得ることのなかった被害ですから、損害賠償請求をすることができます。

 

後遺症が残らないごく軽いむち打ちなら、治療期間に応じた賠償を。頚椎ヘルニアになった等のひどい状態のときは後遺障害認定を行い、そのうえで治療費や慰謝料を請求します。

 

むち打ちは医学的な証明が難しい分、またある程度のむち打ちなら安静にしていれば回復する分、どうしてもしっかりと交渉できないという方もいますが、すべては交渉次第です。

 

むち打ちなんて軽いけがなんだから、と少額の示談金を提示されて泣き寝入りする必要はありません。諦めずにまずはエジソンまでご連絡ください。